5 43Tabs運用方法 〜カードを使った超アナログタスク管理〜

43Tabsについて知り、カードの書き方もわかったので、実際に43Tabsにて、「次に取る行動」を管理していく方法について考えていきます。と言っても、43Tabsの骨子はもう十分に伝えることができたのではないか、と思います。あとは使う人が、自分に合った運用を考えていくのみ、なわけですが、一つの例として、ぼくの運用方法について書いていきます。日々の「次に取る行動」をどう明らかにし、43Tabsによって管理・運用しているのか。実例を見ていきましょう。

5.1 はじまりはいつも「InBox」

なにかしら思いつけば、5×3情報カードにメモをします。思いつくことは、「あ、あれやらな」であったり、「こんなんいいかも」と思ったことであったり、です。前者は「タスク」として43Tabsに組み込まれることとなりますし、後者は「発見(着想)」として蓄積されることになります。他には、忘れてはいけない覚え書きもメモることもあるでしょう。これは、「記録」として、保管しておくこととなります。

どのメモにおいても、書いたならば、はじめは「InBox」に預けることにします。すぐに放り込める、InBoxとなる箱を用意しておくと良いでしょう。書いて、InBoxに預けて、一旦忘れる。「タスク」や「発見」といった、「気になること」をカードに書き出し、InBoxに預け、頭から追いやることで、「気になること」がいったん気にならなくなります。頭から気になることがなくなるということは、「気になること」を、記憶し続けておかなければいけないストレスから解放される、ということ。ささいなことではありますが、「気になること」を頭から追いやることができるだけでも、ストレス軽減につながります。

InBoxは「気になること」を安心して忘れるための入れ物と言えます。先に紹介したGTDは、この「気になること」を、すべて、もれなく、ぜーんぶ書き出し、頭の外へと追いやり、安心できるシステムに預けることで、ストレスフリーを目指す手法です。この「安心できる」というのがとても大切。「気になること」を「安心できるところ」に預けることができなければ、かえってストレスが増します。「ここに預けておいて大丈夫なのか?」という不安がよぎります。その不安を払拭する、InBoxに預けて安心するためには、InBox内を必ず、最低でも一日一回は見返すようにする必要があります。

5.2 「InBox」を見返し、整理する

InBoxの中には、「タスク」が書かれたカードや、「発見」をとらえたカード、覚え書きを「記録」として残したカードなど、幾枚かのカードが放り込まれているはずです。それらを、しかるべきところに整理していきます。「"しかるべきところ"とは、いったいどこだ?」と思われるかもしれません。すごく大事になってくるのが、この"しかるべきところ"を、明確に自分の中で定めておくこと。ぼくの場合は、「5×3情報カードによるメモ管理」の章で書いたように、カードはすべて「発見(着想)」「記録」「参照」「タスク」の4つのどれにあたるか判断し、整理していきます。「発見」であればPoICに、「記録」や「参照」であればEvernoteに、「タスク」であれば、43Tabsに。そして、カード以外のメモに関しても、すべて同じような流れで処理していきます。InBox→しかるべきところへ、です。


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おのおのが、"しかるべきところ"におさまることで、一旦はそれを忘れ、でも、必要なときには見返すことができる。安心して、一度頭の中から「気になること」を追い出すことができる。これこそ、「Getting Things Done」のストレスフリーたるゆえんだと言えます。

5.3 とにかくまず書く、あとから分類

ここからは、「発見(着想)」「記録」「参照」「タスク」のうち、「タスク」の扱い方、43Tabsの運用に目を向けていきます。

43Tabsによって管理できるのは、「実行日」のみ。とてもシンプルです。シンプルすぎるかもしれませんが、その代わりに、メモシステム全体を、5×3情報カードで統一することによる恩恵を受けることができます。その恩恵とは、「とにかくまず書く、あとから分類」ができること。これによって、何か思いつけば、とりあえずカードとペンを取り出し、書き付けておく。できるかぎりのメモを、逃さずキャッチする体勢をとることができます。

「実行日」を43Tabsで管理することで、その日一日でやらなければいけないタスクが明らかになります。すべてのタスクを書き出すことで、「これさえやればいい」という安心感を得ることができます。

すべてのメモを5×3情報カードに統一し、とにかくすぐにメモができる環境を手に入れ、実行日を43Tabsによって把握していく。それもこれも、「とにかくまず書く」ことで、頭の中に思い浮かんだことを逃さキャッチし、「やるべきこと」明らかにしていくためなのです。

5.4 一日の計画を立てる

43Tabsにて、実行日を管理することで、その日一日で実行しなければいけない「やるべきこと」が、カードにかかれた状態でズラリと並びます。この「やるべきこと」たちに、日々のルーティン、その日に予定されているスケジュールを加えてやります。

ルーティンとは、「朝ごはん」や「歯磨き」、「風呂に入る」などの、毎日行うことや、「ゴミほかし」などの一定の間隔で実行しなければいけない事柄たちです。「ルーティン」は、カードに書く内容を少し工夫することで、これまた43Tabsに管理してもらうことができます。日々自分が習慣的にやりたいと思っていることーランニングであったり、ブログを書くことーは、カードにかく内容を少し工夫するすることでチェックリストとしての役割を43Tabsに持たせ、管理しています。それについては、また次章で触れていきます。

さすがに「歯を磨く」や「着替える」という細かさにまで分解し、43Tabsで管理をする、なんてことはしていません。43Tabsの代わりに、ぼくがもっとも長い時間をともにしている、iPhoneに管理してもらっています。いつでもそばにいるので、すぐに何をすれば良いのかを教えてくれます。

スケジュールは、「14:00〜16:00 会議」といった、あらかじめ時間の定まっているタスクのこと。時間が定まっているか、いないかという一点で、「タスク」と「スケジュール」は決定的に違います。多くの方は、「スケジュール」はカレンダーで管理していることと思います。ぼくもその一人。

「ルーティン」と「タスク」と「スケジュール」を明らかにしておく、ということは、その日一日で自分がやらなければいけないことのすべてを把握しておく、ということに他なりません。そして、「やるべきこと」は、ただ把握するだけでなく、一歩踏み込んで、一日の行動計画を立てることで、より実行へと向かうことができます。

ぼくの場合は、一日の、起きてまずはじめに行うことが、「一日の計画を立てる」ということ。昨日のタスクでやり残したものがないか確認し、43Tabsの日付を今日に変更し、そこに並んでいるタスクに、日々のルーティンとその日のスケジュールを加えて一日の計画を立てます。

では、次の章では、ここからさらに踏み込んで、タスクカードに日々のルーティン管理や、チェックリストの機能を持たせたり、毎日実行できているかを記録する、チェック表の機能を持たせる方法について解説していきます。