6 さらに使いこなす 〜カードを使った超アナログタスク管理〜

43Tabsの担う役割は、「タスク」の書かれたメモの管理です。一口に「タスク」と言っても、何種類にも分類することができます。

「タスク」とは、簡単に言えば、「やること」です。「やること」が書かれたメモはすべてタスクである、と考えると、「ルーティン」や「スケジュール」も、「タスク」の一種である、と考えることができます。


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6.1 「スケジュール」管理

定期的に繰り返す「タスク」、つまり「ゴミほかし」や「出社準備」といった「やること」は、「ルーティン」。「8月1日 BBQ」や「13:00〜15:00 会議」など、はっきりと実行すべき日/時間が定まっているタスクは、「スケジュール」になる、というところまで、前章にて述べました。

この「ルーティン」や「スケジュール」も「タスク」の一種であるわけですから、43Tabsシステムにて管理することができます。ただ、43Tabsは、「その日一日のタスク」を把握することには優れているものの、日をまたいでタスクを眺める、俯瞰性には優れてはいません。なので、俯瞰して参照したいことの多い「スケジュール」の管理は、43Tabsには向いていない、といえます。そこで43Tabsには、「スケジュール」を忘れないよう補佐する役割を担ってもらうことにしましょう。

「スケジュール」は、カレンダーによって、俯瞰できる状態で管理するほうがいい好ましいと思います。それに加えて、43Tabsにも「スケジュール」の情報を知らせてもらうことで、もれをなくしていきます。ただ、どうしてもひと手間増えてしまうので、「スケジュール」はカレンダーで十分、って方には必要ないかな、と思います。

ちなみに、「スケジュール」を43Tabsに組み込むのはとても簡単。「タスク」と同じように、用件を書き、イベントがある日の日付Tabのところに差し込んでおくだけ。一点ちがうところは、チェックボックスすの代わりに、スケジュールであることを示すため「Cal.(Calendarの略)」と書いておくことのみ。


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毎日43Tabsを参照する習慣がついていれば、カレンダーでの管理に加えて、43Tabsにもスケジュールを入れておくことで、より、もれをなくすことができます。

6.2 「ルーティン」管理

では、次は43Tabsによる「ルーティン」の管理方法です。「ルーティン」の管理は、基本的に通常の「タスク」とあまり変わりません。実行すべき日が書かれたTabの場所に、タスクカードを差し込んでおくだけ。実行したあとは、次の実行日にカードを差し替えておけば、実行日になれば知らせてくれます。

■間隔をあけて繰り返す

例えば、「ゴミほかし」。一週間ごとに繰り返すタスクとして話を進めます。毎週日曜日に実行しなければいけない場合、直近の日曜日の日付に、「ゴミほかし」と書かれたカードを差し込んでおきます。それが7月20日であったとしましょう。7月20日がくると、そこには「ゴミほかし」と書かれたカードがあるので、計画に組み込みます。そして、実行。実行後は、一週間先の日付、7月27日のところに、またそのカードを差し込めばルーティンを管理できます。

他の一回こっきりのタスクと分けるために、「繰り返し」を表すマークを書き込んでおきます。また、いつ実行したのか?次はいつやればいいのか?が確認できるように、実行日もメモ書きとして書き添えておけば、十分にルーティンをこなしていけることと思います。


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■頻繁に繰り返す

「日記を書く」や「ランニング」など、毎日の頻度で繰り返すルーティンに関しては、カードにカレンダーを書き加えておき、日々チェックをつけるようにしています。


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このチェック表、毎月書くのは少し面倒なので、透明な付箋を使って、少しですが手間を省略しています。

まず、カードにルーティン名に加え、「曜日」と「チェック枠」を書きます。


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この「曜日」と「チェック枠」の上から、透明の付箋を貼り付け、日付を書き込んで完成です。

あとは実行し、次の日にカードを差し込み、また実行し、、、の繰り返し。日々、チェックをつけていけば、どれだけ継続できているのかを確認することができます。一ヵ月の終わりに、透明の付箋を張り替えれば、また次の月のチェック表を用意することができます。

6.3 週次レビュー

GTD」には、一週間に一度の「週次レビュー」が推奨されています。「週次レビュー」とは、頭の中の「気になること」を書き出し、収集すること。一週間に一回行う、頭の中をカラッポに刷するためのステップです。英語で書いた際の「Review」という文字のとおり、最近一週間を振り返ったり、プロジェクトの一つひとつを再確認することで、気になったことが出てきたならばそれを書き出し、頭ん中をカラッポにしてスッキリさせる。一週間を見返し、次の一週間を思い描くための、計画するための材料にする。ぼくもこれを行っており、一週間の振り返りをしながら「気になること」があれば書き出していき、次の一週間を見渡し、簡単に一週間の計画を立てることにしています。

■実行済みを振り返る

まずはレビューです。一週間のあいだに実行し、完了したタスクカードを見返していきます。

一週間分の完了タスクを見返すため、実行済みのタスクカードは、43Tabsの一番後ろに差し込んでいきます。一番後ろのスペースは、日付の割当がない部分なので、そこに完了タスクを集約しておき、週次レビューの際に見返すわけです。実行済みのタスクを見返すと、完了まで至っていないものを発見することがあります。とくにぼくは忘れっぽいので、うっかり未完了のタスクを逃してしまわないためにも、週に一回は完了タスクを見返すよう習慣づけています。

また、完了タスクの中には、プロジェクトに属するものも含まれます。プロジェクトと43Tabsの組み合わせについては、次の章にて詳しく見ていくこととしますが、プロジェクトは、全体像を把握しながら一つひとつの作業を進めていく必要がありますので、進捗状況を確実に把握するためにも、完了タスクを見返し、確認していきます。

完了タスクのほかには、実行済みのスケジュールも合わせて見返しておきます。打ち合わせや会議などから、新たに発生したタスクで、まだ43Tabsに加えていないものはないか、もれがないか確認しておきます。

実行済みを見返し、振り返り、もれがないか確認し、次の週につなげていきます。

■一週間を俯瞰する

レビューが終われば、次にくる一週間の見通しをたてていきます。

43Tabsは、基本的には「一日」単位でのタスクを教えてくれるシステムです。その日にしなければいけない、実行すべきタスクのすべてを教えてくれるシステムなわけです。ただ、それだけでは、少し困ったことがおこってきます。

「一日」単位であるため、一日ごとのタスク量はわかるのですが、タスク量のバランスをとることは難しい。今日はあっさり終わりそうだ、と感じても、明日は大量のタスクをかかえてしまっているおそれもあるわけです。それを防ぐためには、ある程度の日数のタスクたちを俯瞰し、タスクの量を「均す」ことをしておく必要があります。それを、「週次レビュー」に組み込んでいます。「タスクの均し」作業を、必ず行うことで、タスクやスケジュールのかたよりをなくしておきます。

簡単な作業です。日付Tabを横に並べ、その日に割り振られているタスクを、日付Tabの下に、タスク名が見えるように並べていきます。奥にカレンダーも表示しておけば、タスクとスケジュールを同時に俯瞰して眺めることができるため、オススメです。

タスクが偏っていないか、一日に重たいタスクが集中していないか確認し、必要であれば、タスクの実行日を変更するなどして、ある程度均等になるように均しておきます。

■週次レビューは、「信頼できるシステム」を維持する要

特にタスクは、忘れてしまうと大問題です。日々、もれなく管理していくためには、「このシステムが必ず教えてくれる」という、全幅の信頼がおけるシステムが必要です。いつも「これで大丈夫かな。。。」と不安に感じるような管理システムでは、頭の片隅で常に気になってしまい、居心地の悪い状況が続くことになります。ストレスフルでしかたない。43Tabsなどのタスク管理システムでは、「信頼」できるかどうか、がとても重要です。信頼が、ストレスを大きく軽減してくれますし、信頼できれば毎日安心してそこに書かれているタスクにとりかかることができ、集中力を高めることもできるでしょう。

ただ、どんな道具も手入れをしなければ、使ううちにくたびれてくるように、タスク管理システムも、整備をしなければ「信頼」できる状況を保つことはできません。整備の役割を果たしてくれるのが、「週次レビュー」です。気になることを書き出しそれを信頼できるところに預け、全体の調和をはかる。

かの有名なリンカーンも、「木を切るのに私に6時間与えられるとするならば、私は最初の1時間を斧を研ぐことに使うだろう。」という言葉を残しているように、タスクをこなしていくためには、その準備と整備がとても大切です。毎週の週次レビューによって、斧を研ぎ、常に切れ味のいい状態を保ち、その一週間のタスクたちをバッサバッサと切り倒していくのです。