1 43Tabsとは?〜カードを使った超アナログタスク管理〜

43Tabsとは、5×3情報カードで「次に取る行動」を管理する、タスク管理システムです。「野ざらし亭」さんの、「43Folders ならぬ 43Tabs: blog:野ざらし亭」というエントリにて、誕生したシステムです。。5×3情報カードを使っていることからわかるように、システムは超アナログ。基本的には、PCやスマートフォンを使用せず、5×3情報カードとノートを使って「次に取る行動」のすべてを管理していくことになります。

1.1 必要な道具

必要なものは、

に加え、自分が使っていて心地よいようなペン。一つ一つ見ていきましょう。

・5×3情報カード

43Tabsでは、5×3情報カードにタスクを書き、実行すべき日に割り振っていくことで、タスクをもれなく管理していきます。となると、5×3情報カードが大量に必要になってきます。はじめに、500枚ほど購入しておくことをお勧めします。

情報カードは、コレクトライフなどから販売されています。が、ガッツガツ使うには、少し値が張るかな、と思い、ぼくはダイソー情報カードを利用しています。


Flickr写真 2014-06-20 5 41 48 by choiyaki

・Tab

Tabを43個必要とするので、43Tabs。このTabで、「次に取る行動」を書いたカードたちを仕切ります。

Tabも、「見出しカード」や「仕切り見出し」などの名称で、コレクトライフから販売されています。が、こちらもぼくは100均のカードとインデックスで自作し、使っています。


FlickrIMG_3701 by choiyaki

Tabは、「1月」〜「12月」と書いたものと、「1日」〜「31日」を書いたものを作成します。これで合計43個のTabの出来上がり。「43Tabs」43は、月の数12+日の数31を足したもの。この43個のTabを使って、各「次に取る行動」に、実行日を割り当てていくわけです。

・Doc

Docは、「次に取る行動」を書いたカードたちと、43個のTabたちを入れておく「箱」です。これまたコレクトからカードBOXなるものが販売されていますが、5×3情報カードのサイズにちょうどいいものならなんでもいいです。ぼくが使用しているのは、iPhoneの空箱。


FlickrIMG_3702 by choiyaki

サイズがほんとにちょうど良く、底と蓋で、一気に2つのBOXを手に入れることができます。重宝しています。

「5×3情報カード」「Tab」「Doc」が揃えば、43Tabsシステムを構築できる準備が整いました。

1.2 GTD

43Tabsは、タスクを管理するシステムなのですが、タスクのことを、ぼくは「次に取る行動」という表現をしています。これは、Getting Things Done(以下GTD)という、気になることのすべてを管理する理論に習ってのこと。GTDの、「次に取る行動」の管理システムとして、43Tabsを位置付けているからです。

GTDとは?

GTDとは、頭の中にあるすべての「気になること」をかき集め、それらをしかるべきところに整理する手法です。気になることの一つ一つに、「これは何か?」と問い、いつかやりたいことであれば「いつかやりたいことリスト」に分類、スケジュールであればカレンダーに登録、望むべき結果がいくつもの行動によってもたらされるならば「プロジェクト」として位置付け、「次に取る行動」を明らかにしていきます。「気になること」のすべてを、しかるべきところに整理していく手法が、GTDなわけです。


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詳しくは、GTDの指南書、「ストレスフリーの整理術」を読んでいただければと思います。

ぼくは、「43Tabs」にて、GTDにおける、「次に取る行動」に対し、その実行日を定め、管理していくことにしています。この「次に取る行動」を、一つ一つのタスクと捉えれば、GTDと組み合わせる、組み合わせないに限らず、43Tabsシステムを構築・運用していくことができます。

では、実際に「43Tabsシステム」についてみていってみましょう。

1.3 43個のTabたちによるタスク管理

「1月」「2月」…「12月」という月の書かれた12個のTabと、「1日」「2日」…「31日」という日付の書かれた31個のTabからなります。これらのTabを重ねて並べたものに、タスクの書かれたカードを差し込んでいくことで、タスクに実行日を設定します。

まずは、月のTabと日付Tabを順番に並べておきます。一番手前が、今日の日付Tab、その後ろに明日の日付Tabが続き、「31日」の日付Tabまで並べ終わったら、今月の月のTabを挟み、「1日」の日付Tabから順番に、残りの日付Tabを並べていきます。例えば、今日の日付が「6月24日」であれば、一番手前が「24日」の日付Tab、そこから順番に、「31日」の日付Tabまで並び、「6月」と書かれた月のTabがその後ろにきます。「1日」「2日」…「23日」と日付Tabが並び、「7月」の月のTabがその次に。それ以降は、「8月」「9月」「10月」「11月」「12月」「1月」「2月」「3月」「4月」「5月」と月のTabを順番に並べておけば、Tabたちは整列完了です。


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今日以降の日付Tabたち、今月の月のTab、前日までの日付Tabたち、来月以降の月のTabたち、という順番に並べればいいというわけです。

■タスクに実行日を定める

そこに、タスクを割り振り、日付を設定していきます。実行日の日付Tabの手前に、タスクの書かれたカードを差し込みます。気になることをすべて収集し、しかるべきところに整理し、一つ一つが、とても明確になった「次に取る行動」が書かれたタスクカードのすべてを、Tabの合間合間に差し込んでいき、実行日を授けていきます。

これによって日付を設定できるのは、直近一ヶ月分のタスクとなります。それ以降のタスクについては、実行したい月のTabの前に差し込んでおき、実行月がきたら、日付を設定します。

こうして、日付Tabと月のTabの間に、数々のタスクカードが差し込まれることで、43Tabsのシステムは回り始めます。

例えば、今日の日付が「6月24日」だったとしましょう。このとき、43個のTabと、タスクの書かれたカードを収納しているDocの中身は、一番手前に、6月24日に実行すると決めたタスクカードがいくつか並び、「24日」と書かれたTabがその後ろにあります。「24日」Tabの後ろには、6月25日に実行すると決めたタスクカードが並び、その後ろに「25日」と書かれたTabが、、、というように、タスクカード・日付Tab、タスクカード・日付Tabと、交互にタスクカードの束とTabが並んでいる状況が、普段の43Tabsの姿となります。とまぁ文章で説明を長々と加えましたが、図をみれば一発で把握できることと思います。


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一日を過ごしていると、タスクはまた増えていきます。増えたタスクをカードに書いておき、随時43Tabsに加えていきます。完了したタスクカードについては、どこか別のところに保管しておくのがいいか、と思います。実行したかどうかを忘れてしまうこともあるので、確認をできるようにしておくためにも。

1.4 単純な、43Tabsシステム

43Tabsは、43個のTabと、それを収納しておくDoc、たくさんの5×3情報カードがあれば、だれにでもできるタスク管理のシステムです。管理するのは、実行日。とても単純だと言えます。単純であるがゆえに、そこからどう発展させていくかがおもしろい。

かっちり決められたシステムではなく、単純だからこそそこからの発展にも柔軟性がある。それが、43Tabsのいいところではないか、と思います。

加えて、手書きで、アナログで管理できるシステムである、というところも見逃せません。

5×3情報カードに書き込む内容は、なんでもいいわけです。自分が書きたいとおもったこと、書いておくと実行する際に役立ちそうだと思うことを書いておけばいい。試しながら何を書くべきか、模索していけばいい。これが、タスク管理アプリだとそうはいきません。タスクに付加できる情報というのは、どうしても限られてしまいます。

もちろん、情報カードに付加できる情報というのも限られてはいますが、工夫次第でけっこうなんとでもなるもの。その工夫を考えるのもおもしろい。

単純で、アナログ。だからこその柔軟性。そこを最大限活かしていくことで、43Tabsシステムを楽しみながら構築していくことができます。