0-0 はじめに ー『Evernote × 情報カード知的生産』はじめにー

はじめに

ぼくがEvernoteと出会ったのは、2009年の10月ころでした。はじめは使い方がいまいちつかめず、いくつかのメモを放り込んで、よくわからなくなって放置していたのですが、しばらく経ったあるとき、またEvernoteを使い始めようと起動させてみると、そこにあったメモを見て、驚きました。

「こんなんメモったっけ?」

過去の自分との出会いです。

それからというもの、なにかあればEvernoteにメモをしたり、参考になったWebページを保存したり、日々の記録を残したり。いろんな連携を駆使してあらゆる情報をEvernoteに集めるようになりました。でもこのころは、ただただ情報をEvernoteに放り込んでいるだけで、保存された情報をどうしていくのかまで、踏み込んで使うことは、できていませんでした。

しばらく経った夏のある日、一冊の本を読み終えます。それが、「知的生産の技術」。1969年に第1版が出版された本なのです。生まれるかなり前に書かれた本にもかかわらず、そのころとはかなり様変わりしている現代においても、情報をどう扱い、整理するのか、多くの示唆を与えてくれることが驚きでした。「知的生産の技術」に書かれていた、情報カードを用いて、自分の着想を記録し、知的生産に活かす方法。これは、現代でもすごく役立つのではないか、と強く感じました。

ただ、Evernoteを利用している状況で、どう情報カードを組み合わせればいいのか、当時はわからなかった。情報カードを利用した、知識を溜め込む方法に感銘はうけたものの、自分がやってみるところまで踏み切ることができませんでした。

そしてそれから3年経った昨年、もう一度「知的生産の技術」を読み、やはり試してみたいという気持ちと、以前からかなり変化した、自分のEvernoteの利用方法とを、うまく組み合わせることができそうな予感がしました。うまくいきそうなら、試してみるに限ります。昨年から、情報カードを用いて着想を記録していくスタイルをはじめることになりました。

そして今でも、いろいろと試しながら、楽しみながら、情報カードEvernoteを組み合わせた、知的生産の方法を運用し続けています。そこで考えたあれこれ、Evernote内の情報の扱い方や整理の仕方、情報カードの利用方法など、今やってみていること、考えていることについて、余すことなくこの場で書き記していきたいと思います。ぼくの方法を書き記すことで、少しでも、誰かの参考になればいいな。