1-4 メモへの瞬発力を高める ー『Evernote×情報カード知的生産』第1章 知的生産とはー

メモへの瞬発力を高める

考えたこと、思いついたことを逃さないためにも、「メモる」という行為に対する瞬発力をあげる必要があります。まずは簡単に、常にポッケに、メモ帳を入れるようにしてみてください。もちろん、もうすでにメモ帳を携帯している方もいると思います。というか、持っている人の方が多いかもしれません。であれば、今まで以上に、「自分の考えたこと」を、そのメモ帳に書くようにしてみてください。

Evernoteを利用しているのであれば、スマートフォンなどから、Evernoteにメモする方法もあります。

どんな方法でも、どんな媒体にでもいい。まずは、考えたことをメモする。とりあえず、「着想」をとらえておく。とらえた「着想」が、どう利用できるのかはこの時点ではわかりません。ものすごく役に立つかもしれませんし、役に立たないかもしれない。そもそも、メモをするときに、そのメモがあとで役に立つかどうかなんてわかりません。わからないのであれば、ものすごく役に立つことを期待しつつ、とにもかくにも「着想」をとらえておくことに集中した方が得策です。

はじめは、頭に浮かんだことを、片っ端からメモしていってみるのもいいかもしれません。メモへの瞬発力を高めるための、いいエクササイズになります。

メモへの瞬発力を高めるということは、知的生産における、「入り口」を広げる、ということです。

知的生産の過程は、大きく分けると、情報を収集する段階と、収集した情報をまとめ上げ、一つの形にしていく段階の、2つに分けられます。インプットとアウトプット、という言い方もできるでしょうか。

インプットした情報がなければ、アウトプットを生み出すことは難しくなります。メモをする媒体をいくつか持っておき、メモ環境を整えておくことで、たくさんの「着想」を逃さずキャッチし、「資料」へと変換するための入り口を広げておく。インプットまでのハードルを下げておくわけです。アウトプットのための材料集めの一つが、「メモをする」という行為です。

「着想」をメモして「資料」として残す。情報を、消えないように集めておく。その行動を、自分になじませることが、知的生産の第一歩です。